駅至近
JR高田馬場駅、早稲田通り、アニメの壁画のあるガードレール左、信号をわたるともうそこが「さかえ通り」です。
さかえ通りは全長200m、だからさかえ通りのどこにいても、駅までほぼ十分でゆとりをもって行けます。至近距離そのもの、便利です。
200mの空間
駅を降り、さかえ通りに一歩足を踏み入れると、通り入口の煩雑さに一瞬尻込みを覚えますが、それは歓迎のカウンターパンチに過ぎません。
たった200mです。ぶらぶらとさかえ通りを歩いてみてください。そうするとさかえ通りのほんとうの姿が見えてきます。
通りを進むにつれて静かになつてきます。学生が多く利用する店もあれば、二三人で、暖簾をくぐる店もあり、各人各様それぞれ好みにあつた店があるのが、さかえ通り特徴です。
東京オリンピックの威力
建物を観察するとわかりますが、案外古い建物が軒を連ねているのもさかえ通りの特徴です。それはなにを語るかといえば、ここの生活の歴史を語ってくれます。
1964年に東京オリンピックが開催されました。これが大きな変化を人々にもたらしました。では、それ以前はといえば、東京は、皇居を除いて焼け野原でした。 戦争があってすべて焼く尽くされたからです。
1945年敗戦。そこから復興をはじめ、東京オリンピック開催の知らせが、復興に拍車をかけます。首都高速道路が誕生し、オリンピック施設はじめ建築ラッシュが続きます。時をおなじくして、昭和三十年後半、さかえ通りに、いま見る多くの家が建てられたのです。
東京のどこでも、いまでもそうですが、脇道に迷いこんでみてください。その当時建てられた建物がまだまだたくさん残っています。
新幹線も東京オリンピックのために作られました。そう考えると大きなイヴェントは協力な変える力をもっているのがわかります。単に経済効果だけでなく、すべての人々にあらゆる面で影響をもたらすのが、オリンピックのような巨大なイヴェントなのです。
そういうところからも、2020年、東京オリンピック招致をめざして、東京都が運動を展開している意義がわかってきます。
片岡義男さんが歩いた道
片岡義男さんは作家ですが、東京を撮り続けている写真家でもあります。その写真集の一冊に、片岡さんが、山手卓球場を背に、さかえ通りに向かってシャッターを切った一枚があります。この路地の感じがじつによく写し取られています。写真を撮るからには片岡さんに感じるものがあったからです。
さかえ通りは写真に切取れる、絵になる通りでもあるのです。